過去にたまたま見た新聞のコラムで、
個人的に忘れがたい内容がありましたのでご紹介します。

あーなるほど! だから今の白バイがあるのだ!
と納得いただければ幸いです。

以下引用です。
「2014(平成26)年6月11日
昭和天皇と白バイ

 外国首脳の車列が通る際、英国では道路の信号を操作しない。
どうやって車列をスムーズに通すのか。
白バイ警官がグループでアクロバットさながら、
車列の前後を行き来して周りの車を止め首脳の車列を通すのだ。
 ロンドン警視庁約700人の白バイ隊のうち、
最高首脳を警護できるのは特別エスコート隊員約30人だけ。

昭和天皇は1971(昭和46)年10月、訪英の際、
この白バイ隊の運転技術にいたく感心され、それをきっかけに翌年、
日本の警官がロンドン警視庁で白バイ研修を受けるようになった。
 各都道府県警察本部から毎年6、7人がロンドンに派遣され約1カ月、
技術指導を受けた。英国の白バイは時速200キロで長距離走行するのも
珍しくない。特別な施設ではなく、街中で実戦さながらの訓練を受けるため、
現実に即した高い技術を短期間で習得できる。

 この白バイ交流は昨年10月、41年の歴史を閉じた。
所期の目的は達せられたとの判断である。
先月(2014:平成26年5月)28日、林景一駐英大使から
ロンドン警視庁に感謝状が贈られた。
英国で訓練を受けた警官は計300人以上。
その多くが各警察本部で白バイ隊の指導を担ってきた。
 昨年まで9年間、日本の警官を指導した
サイモン・ロビンソンさん(52)は言う。
「日本人は皆、まじめで熱心だった。指導しているうちに、
こちらが礼儀正しさを教えられた。食べる際に『いただきます』
と言うことも覚えました」

 日英両国は第二次大戦で戦火を交えた。
昭和天皇訪英では一部で反日デモもあった。
その裏側で親善の花が芽吹いていた。
白バイ交流という小さな歴史を、両国は共有した。」

shirobai